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2016.11.29

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ここ最近では異例の一ヶ月に2回の更新です(笑)

僕は先天性の色覚少数派、いわゆる色弱として生きてきました。
小学校の低学年の時に、色覚検査(数字や文字を答えるやつ)を答えられなくて色弱と診断されたその日から色のことでずっとコンプレックスは感じていたしモヤモヤした気持ちを抱いていました。
人とは違う色の見え方をするだけで視力には問題ないし死にゃしないんだけど着るものやファッションなどの色に関したことには自信がなかったので
自分の中では無難な色の組み合わせで生きてきたつもりです。
そしてこれからも相方の意見を聞きながら今までと変わらずに死ぬまで暮らしていくんだろうなと思ってました。

そんな僕に転機が訪れたのがつい先日、一週間ほど前の事です。
家で相方と何かの話をしていた時に色弱を補正できるレンズがあるという話を聞き、早速インターネットで調べてみたところ、補正レンズを製作・販売して
いる会社が大阪と東京にあって、東京だと浅草橋にあることが分かったので、高そうだしどれほどの効果の物か分からないけれど、とりあえず無料で検査してくれるみたいだし行くだけ行ってみようかということになりました。

会社の名前は「ネオ・ダルトン株式会社
目立たないビルの2Fにある怪しげな会社。場所は確認したし引き返すかどうしよっか・・・でも、ここで帰ってしまっては何も変わらないし来た意味がないなと思いアポなしではありましたが訪ねてみることにしました。

ドアを開けて入ってみると、雑然といろいろなポスターが貼られていて真ん中で仕切られた2つの空間にそれぞれ机と向かい合わせに椅子が設けられて
いて、そこで検査とかカウンセリングを受けるような感じの空間がありました。年配の女性と部下のような女性、それとお客さんのような若い男性、それに
少し貫禄のある男性がいらっしゃいました。
僕と相方が入ると一瞬怪訝そうな顔をされたのですけど、事情を話したところ本来はアポなしでは受け付けないところをたまたまその日は時間が空いていたようで検査を受けさせてもらえることになりました。

まずは裸眼で15色のカラーサンプルのようなものを、左から順番に青から15番目に赤が来るように微妙な色合いをグラーデーションのように順番に
並べていくテストを受けました。僕がこれでいいと思って並べ終えたらそのサンプルをひっくり返すと色の反対側に番号が振ってありました。
本来ならば左から順番に1~15と並べられるのが色覚多数派の方々なのですが、僕はアベコベでした。それを横で見ていた相方が泣いてしまいました。僕が見ていた世界を垣間見た瞬間なのでしょう。

次に見えた数字を答えるという検査を専用の機械を使って行いました。1桁の数字から多くて4桁ぐらいまで行ったでしょうか・・・最初は全然読めないものを少しずつ調整していって見えた時点で答える。そういった検査をしばらく続けました。
そうした検査を経た結果、わたしの色覚ランクはA8ということでした。ランクにはAからDランクまであり、Aが軽度でDが重度で僕は色覚少数派の中では
ポピュラーな部類に入るそうです。

今度はそのA8というランクの補正レンズを使って、先ほどの15色の並べ替えテストを行ったり、数字を答えるテストを行ったところ、今回は問題なくクリアすることができました。この会社のドアを開けた時に目に入ってきたポスターを改めてそのレンズを通して見てみるとタレントの肌の色や服の色、景色の色、紅葉や桜の花びらの色などが裸眼と比べると笑ってしまうくらいに色鮮やかで綺麗なこと・・・みんなはこの世界で生きているんだ。世界は自分が思っているよりも濃淡が濃くて色の数も多くて鮮やかできれいな世界なんだなって初めてわかりました。

その他にもスーパーの広告やお菓子の包装紙など、僕らが苦手とする判別しにくい色合いのものがサンプルとして用意されていて、裸眼と補正レンズを
通して見たものとの違いにも驚きました。

その他にも今までここで検査を受けてレンズを購入されていった方々の現在のお話、色を克服できたことで就職できた話などを色々と聞かせていただいたり本人からいただいた手紙を見せたいただいたりしました。みなさん本当に苦労されているんだなと思いました。

ここまで来てレンズを買うかどうするかという話になりました。決して安くはない金額(76000円)
これはレンズだけの話で、レンズを買ってフレームは自分で購入して眼鏡屋で加工してもらうということでしたが僕は現在遠近両用を使用しているし今の
眼鏡と併用するには、この会社と提携している近所の眼鏡屋さんで任せたほうが問題はなさそうだなと思い・・・これからの生活が2倍楽しくなると思って
思い切って購入することにしました。

お代を済ませ、A8の補正レンズをお借りしながら眼鏡屋さんまでの道のりを歩いていきました。
もう日が暮れて暗くなってましたが、自動販売機やお店の屋根等、目に入ってくるものがとても新鮮でした。眼鏡屋さんに着いたところでネオダルトンの方とはサヨナラして眼鏡屋さんでフレーム選びや遠近両用のレンズを測りなおしていただいてその日は終了。出来上がり次第送っていただくことになりました。

そして昨日、連絡をいただいたので待つのももどかしいので取りに伺いいただいた眼鏡がこれです。
補正レンズを使わなければ普通の眼鏡です。マグネットで取り付けて跳ね上げさせることも可能なのでその場で裸眼と補正レンズの効果を確認することもできます。使用しない場合はケースにしまっておけばいいです。決しておしゃれではないかもしれないですけれど、実用性で選んで作りました。
度つきレンズは作るのが今のところできないようなので、もしも作ることをお考えの際には眼鏡屋さん選びも含めて先に考えておくこともいいと思います。
もちろん度なしであればフレームは選び放題です。

結果として私は補正レンズと遠近両用メガネのレンズとフレームなど、全部コミコミで12万ほどかかりました。
決して安くないです。むしろ高いので作るのを躊躇う方が多いと思います。でも僕は後悔していません。

なので、決して薦めるために書いてるわけではありません。無くても困らないからです。
職業として色を扱う職業や識別できなければ困るシチュエーションがないのなら無理に買う必要はないと思います。
アート関係や美大、公務員試験やその他にも一般の進学や就職を望んでいる方などが相談に訪れて購入していくそうです。

僕は特別に仕事では色を判別する必要はありません。でも、営業でいろいろなところに出かけてお客さんと話す際には便利で役立つこともあるかもしれません。モノクロよりもカラーネガで写真を撮ることが増えるかもしれません。

映画館や美術館にも出かけて本物の色でも観てみたい。来年の春の花見が楽しみだしこれから先の生活の色々なことが楽しみで仕方がないです。

そして自分だけが観てきた色とみんなが観てる色、どちらも楽しむことができる。
観たこともない色を覚えていく作業が楽しい。とにかく今までと違いRGBの違いがくっきりはっきりと良く判るので苦手だった緑、赤、茶、場合によっては
青の判別に苦労することはないと思います。充電中と完了の緑と赤とか。

このメガネで観て最初に感動したのは信号の青でした。
あ、本当に青いんだなって、僕の中では薄くて白っぽい緑だか水色なんだかよくわからない色だったので。
クリスマスでみんながワクワクする気持ちも分かった気がします。

これで一つ、毎日が楽しくなりました。神様ありがとう。

Commented by yoiko_n_o at 2016-11-29 15:08
そういうレンズがあるの知らなかった!
確かに男性で赤色が黒より薄くにしか見えない方も複数人いたし
新規の方々もそうであろうと見越して
伝言は極太黒マッキーでが定番な現場が多かったわ。

楽しさ倍増でよかった☆
Commented by SleepWalker-D at 2016-11-29 18:09
>よ

ありがとう。高い出費だったけどね^^;
でも周りに悩んでる人がいたら教えてあげて。そういうものがあるのが分かるだけでも希望は持てるからさ^^
by SleepWalker-D | 2016-11-29 12:00 | Trackback | Comments(2)

猫と写真と愛のある人生


by ネコおじさん